その道を通って初めて経験になる
27歳の時に外資ジュエラーに転職しました。
最初はお給料も高いし自慢できるしウキウキしていたんですが、
すぐに壁にぶつかったんです。
それは、高額なジュエリーの良さが全然わからなかったこと。
実はその前勤めていたのがHiphopファッションブランド。
できるだけ安くて目立つものが好きだったんです。
それにひきかえ本物のジュエリーって小さくて高い・・・
どうしても興味を持てない私は、接客をしても
当然売上はついてきませんでした。
うーん、、、と悩み私との違いを観察したところ
顧客を持ちアメリカのVIPパーティへお連れする先輩を見ていると
皆さんブランドのジュエリーをつけていることに気づきました。
先輩に相談すると
「買うと変わるから!」
と一言。
買えば変わるなら、と
私は清水の舞台から飛び降りるつもりで
18金のピアスを購入しました。
当時新作だったアメリカの建築家がデザインした
個性的でモードなかっこいいジュエリー。
支払いはクレジットカードリボ払い16回。笑
その時のことは今でもよ〜く覚えてるなぁ。
16ヶ月支払い続けることにドキドキしながらカードをきったこと
目の前で丁寧にラッピングしてくださった先輩の計算された美しい所作
そっと手渡された時の重み
上質な品のあるボックスと艶やかなリボン
箱を開けてピアスを手に取った時の重厚感
耳につけた時の重みと輝き
あ、私のものになったんだ
という高揚感と
本物を身につけた時の自分の姿が
なぜかそれまでと変わり大人に成長したように感じたのです。
いくら考えても理解できなかったのに体験した瞬間にストンとお腹に落ちました。
体験こそ貴重なことはありません。
もちろん体験は苦しいこともあります。
でもそれ以上の喜びと成長がある。
もちろん、購入してから少しずつ売上は伸びました。
体験を通し、周りの声を聞くようになったからだと思っています。
それまでは自分の価値観から出ようとしなかったんですね。
あの経験は今でも宝物です。