唐草模様から見える先人の願い
本棚の整理をしていると、過去のデザイン作品が出てきました。
おそらくバングルのデザインであろう鉛筆画。
10年ほど前に作成したものと記憶しています。
当時は唐草模様(アラベスクともいいます)がとても流行って、
色々なデザインに使われていました。
メンズジュエリーのデザインをしていたので男性らしいタッチで
なんだか懐かしさが込み上げます。
唐草模様はつる草が絡み合う模様のことをいいます。
どこまでも伸びていく様から、『繁栄』『長寿』を
意味するとされ親しまれてきました。
唐草という漢字を見ると中国から渡ってきたのかな?と
予想できますがまさにその通りで、シルクロード経由で
日本に入ってきたそうです。
元は古代ギリシアの神殿に使われた模様で、
ギリシアからエジプトに伝わってゆきました。
風呂敷で見かける唐草模様はもっと太くて
(よく泥棒のイラストで描かれますよね)
シンプルです。これはシルクロードから奈良に入り
和式化したと言われています。
どの国でも言われるのは吉祥模様であるということ。
四方八方に伸びるつるが絡み合ってできる様は
まるで人間がたくさんの人と出会い成長する様子を
描いているかのようです。
このように古来から残っているデザイン、形には
全て意味があったり
先人の思いや願いが込められていたりすると
私は考えています。
普段何気なく目にするものにも
ふと視線を止めてみると、先人からのメッセージが
聞こえてくるようです。