星屑の街《About Story》
ふと夜空を見上げる。
—
台風が近づいている、とニュースが伝え、
雨風が窓に激しくぶつかっていたのが数時間前。
今はすっかり過ぎ去り、
何事もなかったのように
あたたかい空気と静かな夜空が広がっている。
湿った土の匂いとアスファルトの匂いが混じる。
周りには誰もいない。
まるでこの世に私ひとりしかいないみたいだ。
—
新しい環境に転勤。
早く馴染めるように、
結果を出せるように
誰よりもがむしゃらにやってきた。
私は元来人見知りなのに、
誰よりも率先して
笑顔で声をかけて質問をして。
でも、ひょんな行き違いから
取引先への発注ミスをしてしまい、
結果、大勢の人に迷惑をかけてしまった。
どんなに頑張っても、うまくいかないもんだな。。
そんなときの台風。
まるで今の私を取り巻く状況のよう。。
三連休最期の夜は、部屋で小さくうずくまる私。
気づいたらいつのまにか寝ていたようだ。
嵐の音もいつしか止んでいた。
一つため息をついて
ふと外に出てみる。
思わず息をのんだ。
目の前には大きな大きな夜空。
そして瞬く星たち。
星屑が広がる、まるで大きな海のようだ。
こんなに大きな星空が私の上に広がっていたんだ。。
気づかなかったな。
大きく伸びをして、深呼吸。
助けてくれたみんなに、明日お礼を言おう。
もう一度大きく深呼吸した私は、
笑顔になっていた。
「頑張れたなら良かったじゃないか。」
そう、星が言ってくれた気がした。
◇ブラックダイアモンドについて◇
無色から真っ黒まで、ダイアモンドには色々なカラーがあります。
ブラックダイアモンドは不透明ながら、
表面に反射する光の輝きが強く、それはまるで夜空に輝く星のよう。
控えめながら強い意思を秘める、そんな宝石です。
◇About Story◇
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