一目で心奪われたウェディングドレス
憧れのウェディングドレスといえばVERA WANG(ヴェラ ウォン)。
銀座一丁目のジュエラーに勤めていた頃、歩いて10秒ほどの場所に見たこともないような洗練されたドレスをディスプレイしているブティックがあった。
マネキンに着せているのだが、まるで生きているように今にも動き出しそうに感じるほどの躍動感にあふれていた。そのブティックの看板にはVERA WANGと書いてあった。
VERA WANGは1949年ニューヨーク生まれニューヨーク育ち。
中国系アメリカ人だ。
10代の頃にフィギュアスケートで活躍した後にファッションの世界へ飛び込む。
ウェディングドレスを初めてデザインしたのは40歳の頃。
彼女が自身の結婚式で着るドレスを作ったのが最初だった。
今やドレス以外の服やフレグランス、アイウェア等も手がけている彼女だが、
やはり彼女のドレスは圧巻で一瞬で心を奪われてしまう。
体が動いた後の空気の流れがそのまま現れたようだ。
彼女のドレスは私が気軽に手を出せるような価格ではなかったけれども、
いつもショーウィンドウを眺めてドキドキしていたそれだけで何か大切なものを手に入れることができたように思う。
出典:VOGUE JAPAN