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朝日の祝福を受けた日 《About Story》

 

朝の7時。宝石店に初めて入った。

この時間帯に空いているという時点で
普通ではないのだけれど今日は特別だ。

 

 

 

俺たちは結婚して10年以上。
子どもは4人。
そしてつい先月、一番下の息子が生まれたばかり。

 


実は今日、この宝石店には
妻と子どもを含め家族6人でやってきたんだ。

 


それにはわけがある。
結婚当初、指輪を買う余裕がなく
俺たちはずっと結婚指輪無しでやってきた。
まぁ、俺はいいんだけど
どうしても妻には、
いつか買ってやりたいと思っていた。
妻の左手に俺が買ってやった指輪が輝くのを
見たいと思っていたんだ。

 

 

たまたま親友の友人が宝石店を始めると聞き、
今なら買ってやれるとやってきた。

 


予定の関係で
どうしても早朝しか妻とは来れず
頼みこんで7時に開けてもらった。

 


走り回る子どもたちを尻目に、
最初はおずおずと指輪に触れていた妻が
少しずつリラックスし始めたようだ。
表情が柔らかい。
いつもの母親の顔ではなくて
心なしか付き合っていた頃のことを思い出す。

 


心地よい朝日の中、
光を受けて輝く、
ダイヤモンドがついた指輪をつけて
妻が
「これがいい」
と言った。

 

 

 


初めての宝石店。
緊張したぜ。

 


でもそっと俺の肩にもたれる
甘えた妻を見て

 


あぁ、本当に良かった。

 


そう思った。

 

 

 


ここは宝石店というよりも、
うーん、そうだな。
日常の中の些細な喜びに浸れる空間だと思う。

 


子どもたちの大笑いしてる声が
背後から聞こえてきた。

◇About Story◇
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