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桃色に染まった笑顔の私

 

義母から譲り受けたたくさんの宝飾品。
私が身につけるには少しデザインが古めかしく、
かと言ってどうしたらいいかも分からないまま
ドレッサーの奥にそっとしまいこんでいた。

娘の卒業式を機会に改めて出してみた。
昔は華やかで人気のデザインだったであろう
大ぶりのイヤリングや指輪たち。


実は普段、私はジュエリー を滅多に身につけない。
仕事柄つけられないことももちろんあるけれど、
デニムなどのカジュアルスタイルが基本の私には
ダイヤモンドは少しハードルが高い存在だった。


そんなある日、ひょんなことから
私だけのジュエリーをデザインしてもらえることになった。


身長が高く色白な私がプラチナをつけると
一気に老け込むようで悲しくなる。。
それもジュエリーをつけない理由のひとつだった。


ところが勧められてピンクゴールドを合わせた時、心から驚いた。
肌色が桃色に美しく見えて、
そのうえ自然で軽やかな印象になったから!


「金属の色ひとつでこんなに印象が変わるんだ。」
すごくすごくすごく、嬉しくなった。


義母から譲り受けたたくさんのジュエリーたちは、
一度宝石を外して指輪とピアスに姿を変えた。
デニムパンツとTシャツに合わせると、軽やかでとってもステキ。
姿勢も自然と伸びて外出が楽しくなる。


私の中の女性が、ジュエリーの力で引き出されたようだ。
桃色に染まった笑顔の私。
鏡を見るのが嬉しくて、見るとついニヤける。
こんな毎日がやってくるなんて。
これからの日々がまた楽しくなりそうな予感がする。


*この物語はフィクションです。