丁寧なもののある暮らし。

こんなタイトルの雑誌を
ここ数年見かけるようになった。

　

華美なものや刺激といったものの対局にあり
持っているものに愛着を込めて
大切に年月を経て使っていく価値観だ。

　

私はそのような価値観を好んでいる。
今持っているレザーバッグは
実は昔購入したレザージャケットを
リメイクしたものだ。
もう何年も愛用している。

　

皮が柔らかくしなやかで
ほどよい艶が出て
心地よい香りがする。

　

使い方と手のかけ方で
姿を変えつつもいつまでも私のそばに
このレザーはいてくれる。

 

　

　

そんな私が、あるきっかけで
リングのお手入れを依頼することになった。

　

ジュエリーは強いもの。
というイメージがあり
宝飾店で簡易クリーニングしてもらう程度しか
これまでやってこなかった。

　

たまたまHAYASEというジュエラーが
キャンペーンでやっていた状態を検査する
メンテナンスをしていたから試しに頼んでみた。

　

完成したと連絡があり
内心ワクワクしながら受け取りに向かう。
メンテナンスを終えたリングは
以前よりも凹凸や輪郭がハッキリしていた。
造形物としての美しさに思わず息を飲んだ。

　

「最近ではなかなかお目にかかることのない
モダンデザインですね。」
オーナーの言葉に
改めてリングの存在感を知る。

　

気づくと
胸の中のキャンドルに
ホワッと火がついたような
温かさを感じた。

　

これが愛着だろうか。

　

丁寧なもののある暮らし
そこには私自身の愛情も増す効果があるらしい。