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写真展開催 ありがとうございました

2日間の写真展を無事に開催できましたことを深く御礼申し上げます。

暑い中足をお運びくださった方、
またメッセージをくださった方、
心を運んでくださった多くの皆さま、
本当にありがとうございました。
ここに感謝申し上げます。

「ここはなんだか気持ちがあったかくなるね」
と、ある方が言ってくださり
これ以上の嬉しい言葉は無いと思いました。

宝石に関わり苦しい思いをしてこられた方にこれまでたくさん出会って来たので、私は宝石を通じて一つひとつ笑顔を作っていきたいんだと気づきました。

取り急ぎ御礼まで。
これからもよろしくお願いいたします。

以下、開催にあたって書いた挨拶文をシェアします。

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love―誰かの心象風景―にお越しいただき誠にありがとうございます。

近年、ジュエリーは自身を飾るものであり、表現物として他より良いものを身につけることが主な魅力であると考えられています。私は20年弱宝飾業界におりながらも、この考えにはどうも馴染めずにいました。私が願うジュエリーの価値は、「内省と心の継承」「人からひとへ想いを乗せて受け継がれるもの」であり、色々な会社で経験を積ませていただいた後にそれを実現するアトリエを6年前に作ることができました。

貴金属の良いところは、手を加えれば何度でも新たに成形できる点にあります。古い金属に熱を加えて溶かし叩き上げ、新たなジュエリーを製作できる数少ない彫金職人を日本中何年もかけて探し出し、今は二人で協力してジュエリーをデザイン・製作しています。

HAYASEの名の由来を聞かれることがよくあります。苗字の一文字「瀧」を「はやせ」と呼ぶことから着想を得たのがきっかけです。ご縁は水物と申します。それならばいっそ清らかな水でありたい。人様からお預かりしたジュエリーに手を入れさせていただく時、また宝石が採掘地から弊社を経て誰かの元へいく中継地点に私がおりますが、その際に大瀧という個性を極力無くして透明にし、物に宿る純粋な想いだけを繋ぐ橋渡しになりたいという願いから命名いたしました。

宝石には環境破壊の問題や労働者問題(例えば遥か昔から宝石を採掘しようとし命を落とす大勢の方がいました)が色濃く根づいています。この業界を根底から変えるのは並大抵のことではなく、それなら私は足元からできることに取り組み、変えるべきことを変えていきたい。笑顔が波紋のように広がる生き方をしたいと考えています。今この仕事をさせていただけているのは、先人たちの大いなる苦悩と努力の土台の上にいるからであり、社会情勢を嘆き悲しむのではなく、恩恵の上に存在できていることに深く感謝し行動に表したいと思います。

大切なものがある人生とはなんと豊かで幸せなことでしょう。
修理の一手間に愛着が湧き、分身ができたような気持ちになれるこの仕事を愛しています。そして6年間継続できたことは皆さまのご支援のおかげです。感謝とご報告を込めてこの写真展を開催させていただきました。未熟な私を支え励ましてくださる全ての方が、またこれから出会うであろう多くの方が慈しみと愛に包まれますように、願いを込めてここに感謝を申し上げます。
2023年7月29日
大瀧由希