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失敗…石への穴あけ…割れました

加工、失敗しました。。。

綺麗な石で素敵なジュエリーを作りたいね!と志を高く持っている仲間から加工を依頼してもらってました。
それはカラードストーンへの穴あけ。

宝石職人が集積している御徒町、甲府でも石に穴を開けるには一石あたり原価で10,000円以上余裕でかかります。

でも私は穴をあける専門家の方と一昨年知り合うことができてました。その方自身も自分の作品を作り販売されているプロなので、この加工ができることはほとんど知られていません。

私はこれまで何度もお願いして、とっても丁寧なお仕事ぶりに感謝していました。しかも非常に親切なお値段でやってくださる。仲間たちにも十分ご紹介できる方と加工の質です。

それが、、やっぱりオパールちゃん、、
一筋縄ではいきませんでした。。

ここで宝石はどうやってできたかを簡単に説明させていただきますね。宝石は形成過程(結晶構造)が耐久性に直結するんです。

例えばオパールは火山灰や堆積岩のようなシリカが豊富に含まれる岩石のある砂漠地帯でできます。ちなみにシリカっていうのはケイ素と酸素の化合物です。

冬の間大雨が降って、地下水脈の水面を上昇させます。この雨水が岩の間(隙間)に流れ込む過程でシリカを溶かしていきます。つまりシリカたっぷりの水が岩石の隙間を満たしていくわけです。

夏になって雨水が乾燥するとシリカだけが残り、オパールになる、と簡単に説明しましたがこんな形成過程を辿っています。

そして乾燥するとき水分は全部なくなるわけじゃなく、通常3〜10%は残ります。つまり水を含んだ珍しい宝石がオパールなんです。

よく「オパールは火や熱に弱い」と聞きますが、これが理由なんですよね。
ということで、比較的弱い、割れやすい傾向があるんです。。

今回職人さんもとっても丁寧に加工をしてくれたのですが、オパールだけは本当に何が起こるか分からず、結果一石割れてしまいました。。(他にも割れやすい石や、やってみないと分からない石はあります。真珠なんかもそうです。)

オパールちゃんごめんなさい。
でも、でも、、!
割れても美しく愛らしい外観。。
愛しすぎる!!!
割れても!!
えーん;_;

頼んでくれた方も
「割れるのが当たり前で頼んでるから大丈夫!」
と大きな器で受け入れてくれて、なんともありがたさでいっぱいになりました。

世界に同じものは一つとない宝石。
特にオパールは遊色効果があるから特にネ。

職人さんは「申し訳ない。。この後穴あけを続けるのが怖いから一度戻します」と残りの石を返却してこられましたが、「そこはなんとかもう一度!割れるの覚悟で!」とまたお願いしましたm(__)m

やり直しが効かないことをOKしてもらえるってすごいことだなぁ。ほんとありがたいなぁ、、しみじみと心沁みる今日この頃です。