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腕時計にプラチナコーティングをした話

「これどうにかならないかと思って…」
と去年開催した写真展で
先輩が見せてくれた腕時計。

ゴールドのアンティーク調なデザインが
荘厳な印象で、ステキだなぁと思ったのが第一印象でした。

先輩も購入した時は同じように思っていたそうです。

「いいなぁ!と思って買ったんだけどなんだか似合わないんだよねぇ。。」
とおっしゃる。

確かに先輩の肌や髪、目の色から分析すると似合うのは”シルバーカラー”なんですよね。。

時計をよく見るとシルバー製。
世界的に有名なシルバー時計のブランドでした。そこにゴールドメタルでコーティングがされていたんです。

そこで私は軽々しく言ってしまいました。
「このコーティングを剥がしてプラチナデコーティングしたらどうでしょう?」

その提案に先輩はとても喜んで、「ぜひお願いしたい!」ということに話はとんとん拍子に進んだのです。。

おわり。

としたいのですが、実はここからが本題です。ジュエリーのメッキ加工業者どこにこの時計を見せても言われるのはこの一言。

「できません」

どうしてかというと、シルバーについている時計の文字盤が外せないからなんです。何をどうやっても外せない。このままメッキすれば文字盤のガラスが割れてしまう恐れがある。そうしたらもう修復不可能。。。

怖がってどこの工場も請け負ってくれませんでした。

一度諦めかけた私は
「ゴールドメッキを磨き落としてシルバーの地を出すのはどうか?」
と先輩へ提案。

でも先輩はすでにプラチナコーティングに心が踊っていて、この提案は却下されました。。

シルバーは空気中の硫黄と化学反応を起こして黒ずみますしね。。それを嫌がる方は結構多い。それは知ってました。

そこから1ヶ月以上かけて全国の工場に連絡し調べていったところ、一件だけ埼玉の時計専門工場が請け負ってくれることになったのです。

しかもですよ。
直々に会社の専務が電話で工程を説明してくださり、加工してくださることになったのです。

お願いした加工はこちら
・全体のメッキ剥がし
・表面の傷磨き
・プラチナコーティング
・電池交換

手元に届いた時は感激で、すぐに専務にお礼の電話をしました。

諦めないところに道は切り拓かれるんですねぇ。

先輩もとても喜んでくださっていつもつけてくださっています。そのうえとっても似合ってるんです。

「似合ってるなぁ、素敵だなぁ」と見るたびに私もニヤニヤしてしまう思い入れの深い修理加工でした。